大岡川〜野毛(横浜市中区)
retroism〜article103〜
横浜の母なる河・大岡川からスタート。港
へと向かう河口そばにかかる弁天橋付近で
は、横浜の新旧が同時に見ることができる
係留されている舟に近づいてみた。使い古されたが現役と思われるシブい感じのタグボートや作業舟などがひしめき合っている。ハマならではの原風景だ
河口から野毛へ向かう途中、戦後復興の一環として防火帯建築が建てられその多くがいまだに残っていた。関内から野毛へ向かう吉田町本通りのそれらの建物1階には、現在、バーやレストランなどが新たに入っていていい感じの雰囲気を醸し出している
大岡川沿って歩いていくと野毛に到着。ここは、神奈川におけるのんべえの聖地だ。戦後闇市から始まった街のかけらが随所で見られる
昭和中期の日本はまだ貧しかった。今では健康志向も相まって人気のホッピーだが、元々はビール代わりに喉を潤したのがホッピーだった。つまみはもちろんもつ煮込みだ
酔っ払いが肩を組んで歩く姿を見たのは久しぶりだ
った。ほほえましくもあり、遠い記憶を呼び覚ます
光景だ。でもコロナ禍ではこれはダメです。絶対に!
(上)2階建ての飲み屋の集合体である「野毛都橋商店街ビル」。建てられたのは1964(昭和39)年。整然と並ぶ小さな店舗群からこぼれる光に酔客が吸い寄せられる(下)同ビルは、中区宮川町にあり大岡川に沿って横たわる。実際にここに立つと、この角度から眺める景色の中に見える「角海老」のネオンは、遊んでいた若かりし頃の幻影を見る思い?