JCIIフォトサロン(東京・一番町)
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昭和元年から100年に当たる今年、東京・一番町のJCIIフォトサロンで記念展示「―昭和初年の報道写真は語る― 昭和は遠くなりにけり」が開かれている。同展は、古写真収集家・石黒敬章氏のコレクションから、戦前の貴重な報道写真80点を展示、昭和初期の社会と人々の生活を現代に伝える。12月24日まで。

ラジオで一家団欒=日本のラジオ放送は大正14(1925)年に開始された。昭和6(1931)年9月の満州事変の報道の頃からは、受信機が値下がりし、日本放送協会が様々なプログラムを提供したこともあり普及が進む。昭和10年末には聴取者は230万人を超えたという。写っているのは初期の高級真空管式ラジオ受信機で、屋外にアンテナを張る必要もあった。この写真は演出写真だろうが自然でよい写真だ。(昭和11年7月2日、同盟通信社)。※写真はいずれも石黒敬章氏解説
今回展示される報道写真は、極めて歴史的価値が高い。昭和の初めから戦時中にかけて新聞社や通信社が蓄積していた膨大な写真資料は、戦時中の激しい空襲で多くが焼失した。さらに終戦直後には、戦争責任の追及を恐れた報道機関による焼却処分が相次いだため、当時の報道写真は現存数が非常に少ない。これらの激動を乗り越えて残された写真は、「生きた歴史の証言」として時代の空気を今に伝える。

チャップリン船上で日本気分満喫=チャールズ・チャップリンは昭和7(1932)年5月14日、兄のシドニーと秘書の高野虎市を伴い、日本郵船照国丸で神戸に初来日。この写真ニュースは来日の約1ヶ月前の4月14日、シンガポールに寄港した時の撮影である。左よりチャップリン、塩谷船長、兄のシドニー。右端のメガネの男性が、信頼され運転手から秘書となった高野虎市であろう。(昭和7年4月14日、時事写真速報)