時空を超えたお宝の数々 文化的な奥深さ漂う空間

 「古いモノの魅力はまず、温かみですかね。やっぱり素材もいいものを使ってますし、その割に安いんです。僕も10〜20代ぐらいの時には、古着が好きで、安くていいものが買えていたという思いがあります。古道具に関しても安くて質がいいものと出合えることが魅力かなと思います。お店の人間として、ここに並べているのは、捨てるんじゃなくて、誰かに使ってほしいという願いがあるからです」

顔がでかい人のあだ名にも多用された福助。さまざまな顔をした人形には、モデルがいるとも言われているらしい?

 古道具屋を商う楽しみがあるとも神山さんは自信ありげだ。それは商品を買って店を出て行く時、全員がニコニコしていること。また、客が家に帰って、ほんの小さな道具から、新しい喜びを見つけてくれるのだろうと想像するのも商売人として満足感に浸れるところだ。
 加えて大きいのは、その頃の暮らしが何となく見えてくるというところである。

(上)ハンチング帽とあごひげが似合う、笑顔の素敵な神山さん(下)オメガのガムの横断幕を広げて少し照れた表情の神山さん

 「ジッポーに代表されるオイルライターは、安いけど使っていた人の姿が何となく想像できますよね。また、店に入ってくる若い方たちが『なんか、おじいちゃんやおばあちゃん家の匂いがする』なんておっしゃってくれるのも喜びの一つです。雰囲気だけじゃなくて、染みついちゃってる匂いまでも魅力なんです」。古物の価値の一つがそこにもある。新品では絶対に作れない一点ものなのだ。


ミラーに映るのは、コーヒーミル。
中央に映る形のミルは、かなり昔に筆者も所有してた。懐かしい〜

 アンティークな商品から透けて見えるのは、懐かしいモノに再開したことで思わずニヤけてしまう楽しさがたまらないことだ。加えて、時を超えて生き続けてきた文化の奥深さを感じ取ることのできる場所であることも、こんな店の大きな魅力なのである。

あんてぃーくらいふ・じん・つー
東京都世田谷区北沢2ー35ー15
📞:03-5454-3545
営業時間:午後12時半〜5時(月〜金)、正午〜午後5時(土・日)
定休日:12月31日〜1月2日、荒天時

文・今村博幸 撮影・JUN