Antique LIFE JIN II(東京・下北沢)
retroism〜article267〜
時代を経たモノには、それが小さな物であったとしても、部屋の空気感を変える力がある。
店からはみ出している商品の数々。毎日並べ替えるのも店主である神山豪さんの楽しみの一つだ
リビングの棚のちょっとした隙間に、古いアメ車のミニカーを2、3台配置してみる。アメリカらしい明るいオーラが漂うことになる。コーヒーテーブルの真ん中に、ガラス製で小ぶりの灰皿を置けば渋い空間に早変わり。たばこを吸わなくても、小物入れに使用すればいい。昭和に生まれた雑貨は、新品のそれには表現し難い、目新しいスペースを演出する特異な力が備わっているのだ。そんな諸々がそろうのが「Antique LIFE JIN Ⅱ」である。
レトロなイラストが描かれた絵葉書やBOBSONの電飾看板(上)なども扱う
店がある東京・下北沢という街は、戦後とはすっかり街並みが変わった。30年前と比べても雰囲気を異にする。戦前は、畑が広がっていたと聞くが、その頃から住んでいた地主をはじめとする歴史をたたえた家屋がまだまだ健在なのだ。
8㍉フィルムの入っていた空き缶が、無造作に積んである。今では滅多にお目にかかれない代物だ