鉦と太鼓、クラリネットによる昭和歌謡で街中笑顔
実家の前は坂になっていた。ある時間になると、鉦(かね)の音と太鼓に合わせて、サックスの演奏が静かな住宅街に響く。「チンドン芸能社」の親方・永田久さんは、初めて聞いたその音を今でも忘れないという。
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実家の前は坂になっていた。ある時間になると、鉦(かね)の音と太鼓に合わせて、サックスの演奏が静かな住宅街に響く。「チンドン芸能社」の親方・永田久さんは、初めて聞いたその音を今でも忘れないという。
大人になっても文房具に惹(ひ)かれるのは、誰の体にも文房具という存在が深く染み込んでいるからに違いない。
小さな2階建てアパート。トイレと台所は共同。当然のように風呂はナシ。そんな、質素な場所から、戦後にマンガの胎動が始まり大きな文化のうねりへと発展していく。トキワ荘をめぐるドラマは手塚治虫が住んでいた2階の14号室、階段を上がってすぐ左側の部屋から始まった。
50年ぐらい前は、夏も今とは違っていた。 例えば匂い。住宅街でも商店街でも、どこからともなく蚊取り線香の匂いが漂い、盛夏の訪れを告げていた。それでも子供たちの腕には、刺された跡が一つか二つはあった。煙をすり抜けた蚊の仕業に違いない。
自分の感性を「色」で紡ぎ出していくぬり絵は、素朴な子供の遊びである。昭和20〜30年代に大流行した。
日本人が尊ぶものの一つが「情」である。あらゆる場面で使われ、さまざまな意味をもつこの言葉は奥が深い。辞書によれば、「他人に対する思いやりの気持ち、情け、真心、誠意、愛情、趣、味わい」などなど意味は多彩だ。中でも、あまねく人々が好む情がある。「旅情」だ。字面は美しく響きも奇麗なこの言葉がよく似合う列車、それが「ロマンスカー」である。
近代的なビルが立ち並ぶ大都会・東京だが、随所に時代がかった建物が並ぶ場所や通りがひょっこり顔を出すことがある。神田川に並行して走る、昌平坂交差点からJR御茶ノ水駅へと向かう外堀通りには、まさに忘れ去られたような建物が軒を連ねる。湯島聖堂寄りに静かにたたずんでいるのが、「淡路亭ビリヤード場(以下淡路亭)」だ。