艶やかで風雅な空間で夢見心地な1日を味わう

    31(同6)年、東京府荏原郡目黒町大字下目黒坂下にあった1万8000坪の広大な敷地を約12円で購入した。3月に土地を買い11月には目黒雅叙園が開業した。1号館から始まり、2号館、行人坂沿いの3号館、そして4、5、6号館、最後に39(同14)年に完成した7号館まで、少しずつ増築を繰り返した。東京都指定有形文化財「百段階段」へ向かうエレベーターの内部は、螺鈿を使用して絵が書いてある。あまりの迫力にドアが開いた瞬間、多くお客が声を上げるほどだ

  細川は、腕の立つ料理人による食事を供した。加えて全国から名のある絵師や職人を集め、部屋の天井や壁にきらびやかな装飾を施した。そして、できたのが、現在の「ホテル雅叙園東京」の前身の目黒雅叙園だ。「それはひとえに、『本物の芸術に酔いしれ、夢見心地な1日を過ごしてほしい』という細川の思いからでした」 

奈良時代に日本に入ってきた螺鈿細工。素朴な中にも、貝殻のきらめきがあり、独特の魅力に思わず見ほれてしまう

 慌ただしい現代において、なんとも優雅な時間の使い方である。こんな話を聞くと、当時(昭和初期)は時間がゆっくりと流れていたのだろうと想像してしまう。明治以来、外国の文化がどんどん流入していた頃、あらためて日本の美意識にこだわったところに、細川のセンスがうかがえる。結果的に、ものすごいスピードで欧米化が進む日本人の心に細川がいい意味でクギを刺してくれたような気がしてならない。

コメント

  1. aki より:

    この様な書込大変失礼致します。日本も当事国となる台湾有事を前に 国民の分断を煽る国内の反日の危険性をどうか一人でも多くの方に知って頂きたいです。

    今や報道は無法国の代弁者となり、日本の国益は悪に印象操作、反日帰化の多い野党や中韓の悪事は報じない自由で日本人の知る権利を阻む異常な状態です。

    世論誘導が生んだ民主党政権、公約反故から、中韓を利す為の超円高誘導による日本企業や経済の衰退、技術を韓国に渡さぬJAXAを恫喝や、3万件の機密漏洩など韓国への利益誘導に働き、日本は破綻寸前でした。

    今も内外から中韓の侵略が進む中、あの時彼らが日本をいかに危険な状態に陥れ、一度の失敗がどれだけ後遺症を与えたか、どうか読んで頂きたいです。
    https://88moshi.hatenablog.com/
    メディアに踊らされず、掛け替えないこの日本を知り守る機になる事を願います。