遠くから見れば綺麗に見える 昭和100年の光と影

 人々が密だったからこそ、助けられたこともたくさんあった。半面、おせっかいはゆがんだ繋がりを作ることもある。温かさを通り越して、親しいからこそ生まれてしまう「まがまがしさ」も確実に存在していたのである。

 当時の人たちは、その点において、微妙で絶妙な折り合いをつけながら暮らしていた。隣に誰が住んでいるのかも知らない今と比べれば、良好だったのかもしれない。

 昭和は、洗練されきってはいなかった。荒削りで、エネルギーに満ちあふれていた時代でもあった。昭和100年を総括するには、「光と影」の両面を見つめ直さなければならないだろう。

 これからもレトロイズムは、「遠くから見れば綺麗に見える昭和」を、時には近くから見つめ直しながら、昭和の記憶と感情が染み付いた店や建物、人々の姿を伝えていきたい。

 今年もどうぞよろしくお願いします。

文・今村博幸

 

 

 


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