近代陶芸の巨匠・板谷波山(1872ー1963)を父にもつ梅樹は、波山が砕いた陶片に魅了され、陶片を使ったモザイク画の制作を志した。1933(昭和8)年には、旧日本劇場(日劇)玄関ホールに代表作となる高さ3㍍の巨大なモザイク壁画(原画・川島理一郎)を制作した。20代半ばの頃だった。同特別展では、54年(同29)年に制作された現存する最大の壁画「三井用水取入所(みいようすいとりいれじょ)風景」の他、瀟洒(しょうしゃ)な飾り箱や飾り皿、帯留め、ペンダントヘッドなどに絵画や模様を表出した独自のエキゾチックなモザイク作品などを展示。いずれも清新な色彩と可憐な意匠に満ちている。また、住友コレクションの板谷波山の作品も展示しており、梅樹との父子競演も。
板谷梅樹《花》昭和30年代 個人蔵
9月8日に、モザイク作家・ヤマガタカズキさんによる講演会「古代モザイクの歴史と技法」(要予約)、同15日は、袋師・三浦和子さんの講演会「茶道具・仕覆の修復について」(要事前申し込み)が行われる。また、12日には、森下愛子・同館学芸員によるスライドトークも開催される(予約不要、当日整理券配布)。
板谷梅樹《三井用水取入所風景》
昭和29(1954)年
板谷波山記念館蔵
開館時間午前11時〜午後6時(金曜は午後7時まで、入館は閉館の30分前まで)。月曜休館。入館料・一般1200円(1100円)、高校・大学生800円(700円)、中学生以下無料。()内は20人以上の団体割引料金。問い合わせは、050・5541・8600(ハローダイヤル)。
【レトロイズム編集部】