旧尾崎テオドラ邸(東京・豪徳寺)
retroism〜article252〜
東京・豪徳寺の閑静な住宅街に、水色のコロニアル様式の洋館「旧尾崎テオドラ邸(以下テオドラ邸)」がポツンとたたずんでいる。外から眺めると、青空とシンクロして奇麗だ。ところどころ直された木製の床を踏み、復元された造作を見ながら邸内を歩くと、往年の「暮らし」が心地よく体に染み込んでくる。
閑静な住宅街に突如として現れる、水色の洋館。非常に目立つ
テオドラ邸は、1907(明治40)年に「憲政の神様」と評された尾崎行雄の旧宅として、東京・六本木(現在のアマンドの裏あたり)に建てられたと伝えられてきた。だが、後の調査で、行雄の妻・テオドラの父である尾崎三良男爵が88(明治21)年に建てたことが判明した。33(昭和8)年に英文学者の岡田哲三により、現在の場所に移された。関東大震災も第二次世界大戦もくぐり抜けてきた貴重な遺構である。
窓の外から見える、時代がかったランプシェードが印象的だ