暮らしを支えた「食の道具」の歴史と変遷を辿る

 特に注目したいのは、「大正・昭和 日々の暮らしの道具」である。第二次世界大戦後、それまでは、木や竹などが使われていたものがプラスチックなどの人工素材へと生まれ変わった。薪や木炭などの燃料もガスや電気になり、生活スタイルの変化や技術革新から道具も様変わりしていった。中でもゆで卵器やトースターなどは、人々の食生活に影響を与えた。保温ジャーに至っては、朝米を炊(た)いておけば、夜まで温かいご飯が食べられるので、主婦のワークスタイルに大きな影響を与えた。
「大正・昭和 日々の暮らしの道具」の展示の様子

 宴の道具や季節ごと、子どもの成長を祝う行事に使われる器の形からは、日本人の美意識まで垣間見ることができる。多岐にわたる展示品は、見る者を飽きさせない、魅力的な展示内容になっている。

 午前9時〜午後5時。休館日は月曜、第3日曜。入場無料。問い合わせは03・3319・9221。

【レトロイズム編集部】