レトロ散歩 其ノ漆
もはや、「人の情」は遠い日の幻になりつつある。日々の食料を調達する大手スーパーマーケットしかり、日用雑貨を売る深夜まで営業している巨大ディスカウントショップや家電量販店も同様だ。普段我々が買い物で訪れるのは、他の店より安価という理由のみで、人情に触れるなどという機会はほぼなくなった。いくら大きなスーパーマーケットができようとも、魅力的な個人商店が並ぶ商店街が廃(すた)れない理由の一つはそこにある。
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もはや、「人の情」は遠い日の幻になりつつある。日々の食料を調達する大手スーパーマーケットしかり、日用雑貨を売る深夜まで営業している巨大ディスカウントショップや家電量販店も同様だ。普段我々が買い物で訪れるのは、他の店より安価という理由のみで、人情に触れるなどという機会はほぼなくなった。いくら大きなスーパーマーケットができようとも、魅力的な個人商店が並ぶ商店街が廃(すた)れない理由の一つはそこにある。
新宿はあらゆる文化の発信基地だ。「新宿歴史博物館」を回覧すると、それが今に始まったことではないことがよくわかる。館内では興味深い資料を基に見応えのあるジオラマやレプリカを通して、その歴史を見るものに語りかける。
まるで、心を踊らせる遊園地のアトラクションへと誘うエントランスように、ポッカリと口を開けていた。埼京線十条駅北口。芝生を敷き詰めたロータリーの向こう側にある十条銀座は、新旧入り乱れた各種店舗が並ぶ、商店街フリーク(そんな人がいるかどうかは定かではないが)にはたまらないアーケード街である。