展示作品には、報道機関が配信したニュース写真に加え、当時の重要な情報伝達手段の一つであった「写真ニュース」の資料も。「写真ニュース」とは、写真に詳細な解説文を付けて、新聞社、官公庁、町の掲示板などに壁新聞として貼り出されたもので、当時の重要な情報伝達手段の一つだった。政治や軍事といったハードなニュースだけでなく、一般市民の日常に密着したソフトニュースも多数掲載された。具体的には、関東大震災復興中の東京の姿、日本最初の男子普通選挙の歴史的瞬間、ベルリンオリンピックで活躍した日本人選手の勇姿など。また、上野公園でのゾウと人間の綱引き大会や、一家団欒(だんらん)で真空管式ラジオを聴く様子など、当時の人々の生活や文化を垣間見ることができる作品も多い。
深川の投票所=大正14(1925)年5月5日、衆議院議員選挙法を改正した普通選挙法が交付され、納税額により認められていた選挙資格を撤廃し、25歳以上の男性すべてに選挙権を与えられることになった。それにより有権者総数は4倍(と言っても総人口の20.1%)になった。その最初の普通選挙が、昭和3(1928)年2月20日に実施された。「日本晴れの普選日より 馬子にも与えられた清き一票 労働者街深川の投票所情景」とある。実際に馬子が投票中らしく、馬車が停車している。(昭和3年、東京写真通信社)