酒と泪とオヤジと若者 飲みニケーションの効用⁉︎
元号が昭和から平成に変わって間もない頃、ある喫茶店で高齢のママとコーヒーを飲みながら、とりとめのない話をしていた。やがて、かつて通っていた客と今の客の違いについての話題になり、ママはポツンと伏目がちに言った。「人と人との付き合いが変わっちゃったのかしらね」。ふと見せた寂しげな表情が印象的だった。人間関係が希薄になっていることは、多くの人が思っているだろう。ただ、人生を重ねてきた人が発する言葉の重さは違う。今でも筆者の頭から離れないのは、人生の大半を数えきれないほどの客と接し、積み重ねて来た人間の言霊だからだと思う。