居酒屋一覧

酒と泪とオヤジと若者 飲みニケーションの効用⁉︎

 元号が昭和から平成に変わって間もない頃、ある喫茶店で高齢のママとコーヒーを飲みながら、とりとめのない話をしていた。やがて、かつて通っていた客と今の客の違いについての話題になり、ママはポツンと伏目がちに言った。「人と人との付き合いが変わっちゃったのかしらね」。ふと見せた寂しげな表情が印象的だった。人間関係が希薄になっていることは、多くの人が思っているだろう。ただ、人生を重ねてきた人が発する言葉の重さは違う。今でも筆者の頭から離れないのは、人生の大半を数えきれないほどの客と接し、積み重ねて来た人間の言霊だからだと思う。

ブレない昭和な空間は客ファースト

昭和の時代から、居酒屋に存在し続けた飲み物や食べ物がある。甲類焼酎をさまざまなフレーバードリンクで割った酎ハイ、揚げ物、やっこ、焼き魚や焼きとり等々。数え上げたらきりがないが、「信濃路 鶯谷店」には、それら全てがそろっている。大げさではなく、本当に「全て」があるのだ。