格式あるアカデミックな空間で非日常を味わう
廊下に敷き詰められた赤い絨毯(じゅうたん)、レトロな照明、美しい旋(らせん)階段−−。 東京・神田にある学士会館。建物内に一歩に足を踏み入れると、クラシカルで優雅な空間が客を温かく迎え入れてくれる。
visiting old, learn new
廊下に敷き詰められた赤い絨毯(じゅうたん)、レトロな照明、美しい旋(らせん)階段−−。 東京・神田にある学士会館。建物内に一歩に足を踏み入れると、クラシカルで優雅な空間が客を温かく迎え入れてくれる。
装飾を省いたモダニズム建築。19世紀末から20世紀にかけて世界中で建てられた、時代の象徴でもある。その様式の建物が横浜に残る「インペリアルビル」だ。2011(平成23)年には、横浜市認定歴史的建造物に選定された。
第18回オリンピック競技大会が1964(昭和39)年に東京で開催された。第2会場となったのが、駒沢オリンピック競技場だった。駒沢通りから横に長い階段を上ると右に見えてくるのが陸上競技場(村田政真設計)、正面には五重塔をモチーフにした管制塔、左手には、神社仏閣の屋根を思わせる反(そ)りを取り入れた体育館がある。
東京(原宿→外苑前→渋谷) retroism〜article149〜 国立代々木競技場第一体育館(原宿) 国立代々木競...
常日頃からレトロなモノ、味、空間、風景などを求めての街散策を趣味としている。特に昭和のレトロな近代建築に邂逅(かいこう)したときは、思わず足を止めてしまうことしばしば。
産業革命以降、世界の状況は一変し建物の様相も大きく様変わりした。建築家たちは、近現代化という流れの中で、あらゆる可能性を模索しながら、試みを繰り返してきたのである。背景には工業技術の進歩があったが、建築基準法をはじめとする限られた条件の中で、どんなことをするのかといった、人間の創造力や発想、恣意(しい)までも結びつけ創作に励んだ。
全国どこの街を歩いていても、景色がさほどかわらない今の日本。同じような建物、全国展開している大型店舗や飲食チェーン、コンビニなど、その街「らしさ」が消えていくのは寂しい。東京でも同じことは起こっている。しかしである。たまたま見かけた建築物に、思わず足を止めてしまうこともまだまだある。昭和に建てられた建造物が現役で頑張っているのだ。