ヴィンテージに昂る一覧

年代物のジュークボックスにも新たな命吹き込み

日本人の我々から見れば、アメリカで作られたプロダクトや食べ物に至るまで、何でもかんでもデカく感じられる。 一番わかりやすいのが車だ。一昔前の映画を見ると巨大なサルーンを小柄な婦人が運転しているシーンを度々目にする。食べ物もしかり。小さなハンバーガーやステーキも、そこには登場しないのだ。音楽を再生する機械としては、ジュークボックスが代表格だろう。横浜・本牧にある「FLAT4」は、ヴィンテージ・フォルクスワーゲンの専門店だが、年代物のジュークボックスをメインに新品も扱う個性的な店である。

カブトムシ一筋45年 オーナーに安心届け続け

セマフォー(アポロ式方向指示器)が「ガチャコンッ」という音と共に飛び出す様は、車が「機械」であることを、改めて感じさせる。搭載していたのは、古いフォルクスワーゲン・タイプ1(以下VW)である。1938(昭和13)年にドイツで生産が開始された小型大衆車で、愛称はドイツ国内では「ケーファー」、英語圏では「ビートル」と呼ばれた。日本ではカブトムシだ。愛称にしても、あまりにもひねりのない直訳が、今となってはほほ笑ましい。

あの頃、恋い焦がれた昭和の名車に思い巡らせ

国産車が最も輝いていた時代、それは1960〜70年代ではないだろうか。 日本が世界に誇るスーパーカー、その頂点に君臨するのが2000GTだろう。トヨタとヤマハが技術の粋(すい)を結集して共同開発した。67〜70年にかけて製造され、生産台数はわずか337台。当時の価格は238万円で、現代に置き換えると2000万円に相当するという。

オレンジ色の列車が運ぶ「淡い恋と旅の思い出」

日本人が尊ぶものの一つが「情」である。あらゆる場面で使われ、さまざまな意味をもつこの言葉は奥が深い。辞書によれば、「他人に対する思いやりの気持ち、情け、真心、誠意、愛情、趣、味わい」などなど意味は多彩だ。中でも、あまねく人々が好む情がある。「旅情」だ。字面は美しく響きも奇麗なこの言葉がよく似合う列車、それが「ロマンスカー」である。