新宿駅を学ぶフィールドワーク バックヤードへも

 「ロマンスカーの大ファンです。元々小田急線沿線に住んでいたので、私にとって走っているのがむしろ普通。子供の頃からの思い出の中に小田急線が必ずあります」。入線したロマンスカーの横で、車両をバックに駅員に写真を駅員に撮ってもらっていた参加者の女性は目を輝かせた。

R新宿駅西口にあった券売機の写真が貼ってあった。切符を買うボタン、子供用ボタンに被せてあるアクリルの蓋(ふた)も懐かしい

 約2年半前に完成した東西自由通路など、順次整備されながら変貌を遂げる構内だが、昔から変わらない風景も散見される。地下の西口駐車場に続くらせん状のスロープ。50年ほど前に「地下広場」から「地下通路」へと改名されていたが、駅へと向かう広場の見かけは変わっていない。子供の頃は当たり前だったシンプルな券売機は取り外されたが、ポスターになって往年をしのばせている。イベント参加者からは、「あー、ここにあった、あった。懐かしいなぁ」と声が上がる。見上げると、東西自由通路の完成に伴って姿を消した改札口の形に天井の梁が残っていた。

貨物列車の引き込み線と停車場のあった南口側線路に沿って道も緩やかにカーブしている

 再開発計画が進む新宿駅西口周辺では、2029(令和11)年の竣工を目指して駅ビルの建て替え工事が行われている。周辺は新宿グランドターミナル構想を象徴する大規模開発となる。新しいグランドターミナルが誕生すれば、現在、我々が見ている新宿駅周辺の光景も、いずれは懐かしい風景になっていく。新宿駅周辺は日々進化しているのである。

文・今村博幸 撮影・JUN

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