新宿駅を学ぶフィールドワーク バックヤードへも

 一日の乗降客数350万人。世界一のターミナル駅としてギネスブックにも登録されている新宿駅が開業したのは、今から138年前の1885(明治18)年3月1日である。日本初の民間鉄道会社(私鉄)と言われる日本鉄道会社が運行を開始した品川線(赤羽―品川)の中間駅として最初の駅舎が姿を現す。

 当初のもくろみとは裏腹に、地元の住民の反対などに遭い、駅舎は少し離れたところに造られることになった。「結果として、後々の開発がスムーズだったと言われています」。当時、駅の周りには、数店の茶屋、売店、薪(まき)屋や炭屋があるぐらいであまり栄えてはいなかった。近くにクヌギの林が広がっていて、今の東口の様子とはずいぶんかけ離れていたという。そんな話を聞きながら、戦後日本の発展の凄まじさを実感する。知野さんによる説明も終わり、いよいよ小田急ホテルセンチュリーサザンタワーを後にする。 ホームが延びたことによって、代々木駅がすぐそばまで近づいた。同駅のチャイムまで聞こえる

 まず最初に案内されたのは、JR新宿駅新南口にあるタカシマヤタイムズスクエアから続く陸橋。しばらくすると、目の前を貨物列車が通過した。「新宿駅に貨物列車!?」。一瞬、自分の目を疑った。「ここを通る貨物列車は北海道や九州に荷物を運んでいるんですよ」。JR東日本の大喜多保男(おおきたやすお)さんは語りかけるような優しい口調で説明した。まさか新宿駅を貨物が通過するとは夢にも思わなかった。総勢20人ほどの参加者たちも、一斉にスマートフォンや自慢のカメラのシャッターを何枚も切っていたのが印象的だった。 

埼京線の線路の貨物列車が一日3往復する。飛行機やトラックで荷物を運ぶのと同じぐらい、今でも日本の物流を支える 

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