60〜80年代のレコード1万枚 音楽で繋がる場に

 レコードの楽しみ方として吉岡さんがこだわるのは、空気を伝ってきた音をスピーカーから聴くことだ。「なるだけヘッドホンは使ってほしくないですね。その方がレコードに合ってると思います」。音楽の素晴らしさも吉岡さんは力説した。「好きなミュージシャンやジャンルが共通していれば、年齢は関係なく音楽の話で繋がれる。おじさんから若者たちに繋いでいける。ここをそんな場所にしたいんです。店主の吉岡さん。レコードや音楽について語り出すと止まらなくなるほどの熱量だった

 吉岡さんが真顔になる。「キーワードは音楽を愛しているってところです。その一点でいろんな人がつながっていく。実際にそんな状況を何回も見させていただいています。アナログ天国を始めてよかったなと思います」2022年11月3日に「3313アナログ天国」がオープンした時のうちわ

 最後に吉岡さんは、楽しそうに1枚のアルバムを取り出しながら言った。「(井上)陽水は、レコードとCDではまるで違うんですよ。かけてみますね」。スピーカーからは、ミュージシャンの心の叫びが聞こえ、ギター、ドラムをはじめ楽器の音には艶が感じられた。弾かれたギターの弦の震え、たたかれたドラムの鼓動ーー。その一つひとつが見えるかのような、生々しい音色が耳に心地よく響いた。

3313あなろぐてんごく
東京都世田谷区代田5-34-19 4F
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営業時間:午後5時〜午後10時半
定休日:日、月、火、祝日

文・今村博幸 撮影・JUN