60〜80年代のレコード1万枚 音楽で繋がる場に

 ジャンルは、ロック以外にも、オリビア・ニュートンジョンやアバ、荒井由実といった邦楽洋楽のポップスなどいろいろだ。「日本にもいいアーティストがいますからね。かぐや姫もありますよ」と吉岡さんはほほえんだ。「レディ・ソウル」の異名を持つアレサ・フランクリン、スティービー・ワンダー、マービン・ゲイ、レイ・チャールズなどの、ブラックミュージックもそろっている。ジャズが少なめなのは、「専門の店が結構ありますから」と語る吉岡さんは合理的思考の持ち主だ。

スピーカーは、アルテックA7。38㌢のウーファー
から繰り出される音は、どこまでも澄んでいる。

 スピーカーは、65年ごろのアルテックA7。音は38㌢の大型ウーファーと上のフォーン型のスコーカーで出している。両サイドにそれぞれ個別のパワーアンプ(ファンダメンタルMA10)。レコードの音をそのまま出すために、トーンコントロールなどのついていないプリアンプ(コニシスCL1)を使用。プレーヤーはテクニクスSL1200GRを2台。カートリッジはステレオとモノラルを用意する。初期のビートルズはモノラルなのでモノラルカートリッジで流すなど録音によって使い分ける。レコード特有の深くて清らかな音がスピーカーから流れる。オーディオ全般は評論家の和田博巳さんが監修した。

さりげなくレコードのジャケットが天井近くに貼ってある。気取らない雰囲気がいい

 吉岡さんにレコードの魅力を改めて尋ねてみた。「まず、ジャケットが好きなんです。音楽を作るのはアーティストだけど、その周りには、アートディレクターやカメラマンがいたりして、それらが一体になった総合芸術なんですよね」。ジャケットの中にはレコードと一緒にライナーノーツや歌詞カードが挟まっていて、全力でみんなが作っている。多くのプロたちが全身全霊をかけた結晶なのだ。「歴史的な背景も含めて、音が入っているただの丸い盤ではありません。言葉にできない魅力を放っているとしか言いいようがありません」


ミュージックマガジンやレコードコレクターズは、創刊号から
そろっている。当時のミュージックラバーのバイブルだった