懐かしさと真心いっぱい 昭和のかき氷で暑気払い

 夏休みの自由研究で氷のことを調べたい小学生も昔はよく来たと言う。また、埼玉・川越から毎年来る20代の女性もいる。「この前来た時には、『おばちゃん、今年で5年目だね』って言ってくれて。5杯食べていきましたよ。もう一人の子は3杯」。彼女たちは、大学を卒業してフリーターで生活していると言った。「夏は、かき氷を食べるために働いてるようなものよって。うれしいじゃないですか」。彼女たちは大量のかき氷を食べながら、おしゃべりして帰っていくのだそうだ。

上質な氷を使う。「氷は透き通ってないとダメなんです」とおばちゃん

 「私がやってるのは、時代遅れの日本のかき氷です」。最後におばちゃんが言った。その言葉には、ズッシリとした重みがあった。「私も生身の人間だから先のことは分からないけど、私が元気なうちはやるつもりです。なぜなら、お客さまと約束してるからね。子供たちが来てくれているうちは大丈夫かなって思ってますよ」

かき氷同様におばちゃんも人気者。
 とても79歳という年齢には見えない 

 新たな客が来て、かき氷を注文した。猛暑の中、シャリシャリと氷をかく音が店内に響きわたり、涼感を呼んだ。

こおり いしばし
東京都世田谷区三軒茶屋1-29-8
📞:03・3411・2130
営業時間:午前11時半〜午後6時
定休日:不定休
かき氷は、5月〜秋の彼岸まで(無休)
安納芋は、11月〜3月(焼き時間午前11時30分〜夕方まで)
※基本的に雨の日は休み。降りそうな時には来店前に電話で確認を

文・今村博幸 撮影・JUN

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