グッとくる二眼レフカメラの魅力に迫る特別展

 ライカ(ドイツ)は、戦前から名実ともに頂点に君臨するメーカーである。「撮りやすさで言えば、ダントツでした。そこで、さらに違う撮り方や表現の仕方ができないかという試行錯誤の中で、二眼レフが登場しました」。焦点や画角などを一旦決めたら、一眼レフだと一瞬暗くなる(レフが閉じるので見えなくなる)が、それがなかった。また、実際に撮るレンズとファインダーの間にパララックス(視差)が生じてしまうという弱点を持つが、シャッターチャンスは逃さない、ファインダーで細部まで写るモノを確認できる優位性がある。さらに、ファインダーを上からのぞく形になっているいわゆるウエストレベル(お腹の辺りにカメラを持つ)だと、引っ張って押さえて固定することができる。フィルムサイズは6X6と大きいが、15分の1秒程度の長時間露光でもブレずに撮影が可能だ。カメラとしての優位な機能もふんだんに詰め込まれているのだ。

メイスピーⅣメイスピーⅣ。横型二眼レフという珍しい形、30X40ミリの紙製ホルダー入りシートフィルムを使用する

 6X6のフィルムで撮るということは、出来上がりの写真が真四角になることを意味する。「真四角のフォーマットは、後からトリミングがしやすいというのもありますが、縦横問わない安定感のある作品が出来上がります。絵作りが楽しいし心地よさもある。視線を中央部分に持っていける特徴もあります。だから、『落ち着いた写真』が出来上がるんです」。その機構と形から、カメラ好きな人たちにとっては、所有する喜びをもたらせるのが、二眼レフでもあるのだ。

テッシナ製スパイ用カメラ時計に見せかけたスパイ用カメラのテッシナ製。

 さらに言えば、中古品が豊富に残っているので、他の人たちとは違う自分だけの一台を選ぶ醍醐(だいご)味もある。フィルムの入手も必要なので、デジタルカメラでは得られない、手間ひまや仕上がるまでのワクワク感のほか、二眼レフならではの撮影方法なども楽しむことができる。「ファッションとして、捉えている若者も増えています。首から二眼レフを下げることで、自分らしいスタイルを演出する人も増えていますよ」

ローライの指南書ズラリと並ぶカメラの合間に、ローライの指南書なども。かつてこれで勉強した人もたくさんいたに違いない

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