童心に帰れる文房具のセレクトショップ

 「家族で来店いただくことも多いんですが、皆さんそれぞれが楽しんでほしいという気持ちから駄菓子を置いてます。小さいお子さんは駄菓子で喜んでもらい、お父さんやお母さんは、懐かしさを味わいながら商品を手に取っていただきたい。お父さんだけ外でたばこを吸って待ってるって、私は嫌なんですよ」

(左)ドイツの老舗メーカー・リラ社の三角鉛筆。無害の原料が使われている(右)ハンディタイプの鉛筆削り。削った部分がニュルニュル出てくるのが快感だった

 商品を買うと、店名のハンコを押した、薄い縦縞(じま)が入った茶袋に入れてもらえる。これも山田さんのこだわりだ。「同じものを売っていても、うちに来てもらう楽しさとか付加価値を味わっていただきたいのです」。山田さんがさらに続ける。「文房具屋さんに行くのは、消しゴムが無くなったとか、シャープペンの芯が無くなったとか、つまり目的買いです。でも当店は、なんか面白いものないかなという人に来ていただきたい。それが私の理想です」。家族みんなが一つの商品を巡ってあれこれ話し合っている場面はほほえましい。

店主であり文房具ラバーの山田麻美さん。手にするのは、大学ノートの老舗が作るツバメノート。とび箱をモチーフにした小物入れも可愛い

 改めて文房具店を思うと、どこか無骨で、必要なものだけ求めて帰るイメージは確かにある。しかし、山田文具店は趣がまるっきり違う。年齢や性別に関係なく、内容の違う高揚感が得られる場所なのだ。

やまだぶんぐてん
東京都三鷹市下連雀3-38-4
📞:0422-38-8689
営業時間:午前11時〜午後6時(平日)
午前11時〜午後7時(土日祝)
定休日:不定休
https://yamadastationery.jp

文・今村博幸 撮影・JUN

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする