よみがえる青春の日々 懐かしのラジカセがズラリ

 「たぶん、僕らの年代(40、50代)ならば、音楽を聴くメディアとしてはカセットテープが多かったんじゃないですかね」。確かにそうだ。自分の家にもあったし、友人の家へ行けば必ずラジカセがあった。大きなオーディオセットが居間にあったとしても、自分の部屋ではラジカセを使った。レコードプレーヤーにラジカセを繋いで録音し、実際に聴くのはカセットテープだった。

 勉強をしているふりをしながら、自分の部屋で深夜放送を聴くのもラジカセだった。FMレコパルなどのFM情報誌で番組をチェックし、ダイレクトにテープに録音することも容易になった。確かに、当時一番身近なメディアはカセットテープだった。だから、傍らにはラジカセが常にあったのだ。「僕の場合も、歌謡曲を録音したり聴いたり、もちろん深夜放送もラジカセで聴いてました」

ラジカセ史に燦然(さんぜん)と輝くソニーの名機「CF-1980」はスタジオシリーズの第1弾として発売された。最大の特徴はミキシング機能を持つことだ

 多機能化・大型化が進むに連れて、装備されているジャックも多彩になっていった。「レコードプレーヤーやギターのアンプ代わりにも使えます。そんなふうにして、使い倒してましたね」。今なら、ブルートゥースのアダプターを付ければ、スマートフォン(スマホ)から操作して音を出すこともできるという。拡張性の高い「機械」もあるのだ。そう考えると、当時の小・中学生、高校生にとってその存在はまさに相棒だった。今の子供たちが常にスマホをいじっているのにも似ている。「みんなそうだと思うんですけど、自分専用のおもちゃでしたよね。必ず枕元にはおいてあった感じです」

バカでかいゲットーブラスターも多数。アメリカの黒人たちが肩に乗せてリズムを取りながら歩く姿は衝撃的だった

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