レコード文化の真の楽しさを全ての音楽ファンに

 また、ベテランの域にあるミスター・チルドレンが昨年12月にリリースした新譜と同時に作った初回限定アナログアルバム「SOUND TRACKS」も売れ行きが好調だ。「ミスチルをずっと聴いてきたファンならば、彼らが初めて手掛けたLPを、手にしておきたいと考える人は多いと思います」

 所有する喜びとともにある音の軟らかさや、曲に入る直前の針とレコードが擦れる音などが、不思議と気持ちを落ち着かせてくれる。音が持つ絶対的な厚みと温かみは、デジタル音源とは全く別物だ。さらに寺浦さんは続ける。「ヴィンテージになればなるほど、価値が増していくのがレコードならではです。プレスの1回目と2回目とでは価値が違います。だからマニアは初盤にこだわる。そんな楽しみはCDでは味わえません」。いま発売されているレコードも、プレス数を制限しているものも多く、音の良さはもちろん、モノとしてのプレミア感もあるのだ。

笑顔がチャーミングな広報の寺浦さんが持っているのは、伝説のレコード店パイドパイパーハウスの元店長・長門芳郎氏おすすめの3枚

 広い売り場は、開放感に満ちている。壁一面には新品と中古両方の中から、注目やイチオシのレコードが面出しで飾られているのも美しい。店内を覆い尽くすのは、マッキントッシュの真空管アンプを通してスピーカーのアルテックA5から繰り出される、重厚かつ繊細、艷やかな「レコードの音」だ。

「いい音でレコードを聴きながら自分のお気に入りを選んでいただきたいですね。当店に来ていただければ、レコードカルチャーの真の楽しさ感じてもらえると自負しています」

壁に掛けられているLPを眺めていると、ビートルズの2枚目「ウイズ・ザ・ビートルズ」がひょっこりと顔を出した

 「NO MUSIC, NO LIFE.」な全ての人たちをより深い次元で満足させる、唯一無二の空間。ここに来れば、自分にとって思い入れのある大切な一枚にきっと出合えるはずだ。

たわーゔぁいなるしんじゅく
東京都新宿区新宿3−37−1フラッグス10F
📞03・5360・7811
営業時間:午前11時~午後11時(1月15日現在、時短営業のため午前11時~午後8時)
定休日:不定休
https://tower.jp/site/vinyl
https://tower.jp/store/ 
https://twitter.com/towervinyl 
https://www.instagram.com/towervinyl/ 
文・今村博幸 撮影・JUN

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする