レコードがもっと好きになる アナログ文化発信地

 レコードもアナログだが、スタッフもアナログ的な思考、前時代的な考え方をしないと務まらないのだ。「スタッフにオススメを聞いてもらいたいですね。当然、主観は入りますけどね」。主観でモノを売るのは、たとえ時代がかっていると言われようが、モノを売る本来の姿であることには違いはない。

竹野さんのゆるキャラ? 話を聞いたバックヤードには、預かったレコードが山積みになっていた。
一枚ずつ選別し値段をつける作業が待っている   

 中古レコードの捉えられ方も、最近は変わってきていると、竹野さんは言う。 「今、80年代、90年代のレコードが骨董品として価値が出始めています。というのは、88年を境に、レコードの量が激減しました。それは88年から90年代にリリースされたレコードの数が少ないことを意味します。例えば、当時のUKロックの代表格と言っていいオアシスのCDは爆発的にヒットしたのに、レコードは1万枚も流通していない。ファンとしたら、レコード盤があるならぜひ聴いてみたいと思うのは当然でしょう」

 音楽を聴くメディアの原点はレコードにある。いい音で聴きたいとの思いがあれば、レコードに行き着かざるを得ないのだ。「仕事中とか通勤途中にスマホやPCで音楽を聴くのを全く否定しません。むしろ聴いてほしい。ただ、行き着くところとしてレコードがあるとすれば、まずは触れて、一枚でもいいから買うところから始めてほしいというのが、私たちの願いです」

クラブミュージックで有名だったレコード店「DMR」が入っていた場所に店舗を借りた。「この場所店を開くのはストーリーとしてもいいと思った」と竹野さん=ローソンエンタテインメント提供   

   確かに今、レコードがブームと言われている。しかし、急激にレコードブームが来る必要はない。緩やかにそこに近づいていけばいいと竹野さんは言う。最終的には、選択肢の一つとなって、デジタルとアナログが共存できるのが理想だ。かつてレコードしかない時代に音楽を聴いていたおじさんやおばさんたちはもちろん、アナログ盤を知らない若者たちも、レコードを手に取ってみてほしい。

 CDやPCなどのデジタル音源では味わえない温かみと奥行きのある音に、魂まで揺さぶられること必至だ。

えいち・えむ・ゔぃ れこーどしょっぷ しぶや
東京都渋谷区宇田川町36-2 ノア渋谷 1F 2F
📞03・5784・1390
営業時間:午前11時〜午後10時
定休日:無休

文・今村博幸 撮影・柳田隆司

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