古着が最先端に 類まれなるトンデモ空間

 店に並ぶ商品は、個性あふれる商品ばかりだ。革製品のブランド、ジェフハミルトンが作ったNBAのスタジアムジャンパーと、ハードコアの人が好んでつける銀の鋲(びょう=スタッズ)をつけた、いわゆる鋲ジャンをミックスさせたキラキラの一品。プラモデルチックな感じが好きで、服のリメークに使いたかった。しかし、洋服につけると洗えないので、頻繁に洗濯しない帽子なら、「ギリ、プラスチックのパーツつけられる」と作った帽子もある。アシンメトリー(左右非対称)な形のジャケットは、肩の部分が家になっている。見たことないし、これからも見ることもないだろう、と後藤さんは笑った。「よそに置いてあるような品物は、なるだけ置かないようにしています」。後藤さんは言うが、逆に、この店に置いてあるような服が他にあるとは思えない。

ゼンマイを巻くとウサギがドラムをたたく。昭和と日本を代表するおもちゃと言っていいだろう

 それらの服の隙間には、時代を経た雑貨やぬいぐるみなども並ぶ。「昔は趣味でぬいぐるみを集めていました。特に古いやつ。目のパーツのクオリティが低いのがいいんですよ。目が『バグってる』ような古い時代のぬいぐるみが可愛げがあって、集めてました。結構売れちゃったんですけど、少しは残ってます。レトロな感覚の雑貨は好きですね。愛着もわきますしね」。 「ドラムを叩くうさぎ」も置かれていた。古いおもちゃの鉄板商品である。

止めてあるデコチャリは、後藤さんが買って近所の自転車屋に改造してもらったもの。店の横に止めても違和感がない

 後藤さんの手にかかった古着が、見たこともないような先端を行くファッションに変わっていく様はまさに、「温故知新」の精神とピタリと合致する。

はやとちり
東京都杉並区高円寺北3-4-11
📞03・5327・5330
営業時間:午後3時~同9時 (土、日、祝午後1時~同9時)
定休日:なし
http://hayatochiri-koenji-kitakore.com
文・今村博幸 撮影・柳田隆司

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