レトロイズム記者が独楽専門店主とベーゴマ対決

独楽の店 こばやし(東京・広尾)

retroism〜article23〜

 子供は、遊びから学ぶ。今も昔も同じだ。しかし、かつての遊びの中から学ぶものは、今より大きかった気がする。

 アーケードゲームやテレビゲームなどの電気を動力源としたゲームがなかった時代、男の子の遊びの代表といえば、独楽とメンコだ。そんな独楽(こま)を専門に扱う稀有(けう)な店が広尾にある。「独楽の店 こばやし」だ。

江戸独楽の福島保さんの作品。「ピエロ 玉乗り」両手に持っている独楽は外れて単独で回せる

 最初は、建具屋に嫁いだ小林ひさ子さんが、店舗にあるガラスのショーケースに独楽を並べたのが始まりだった。「問屋さんに、『木製のオルゴールがあるんだけど、販売してもらえないか』って聞かれて、売るようになったのよ。それがきっかけで、木のおもちゃって面白いなぁって思ってね」。親戚に独楽好きがいたこともあって、木のおもちゃの中でも、独楽の楽しさ、美しさに目覚めたのだと言う。「暇を見つけては、独楽の産地を巡って買い集めたりしているうちに、だんだん増えていっちゃって」

声をかければ、ご主人と奥さんが一緒に勝負し てくれる。独楽で遊ぶ時は大人も必ず子供に戻る

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