国民車「てんとう虫」と共に40年

 スバル360が最初に発売されたのは1958(昭和33)年。このころ、最低でも100万円以上はした自動車は、所有すること自体、一般庶民には高嶺の花だった。ところが、当時スバルの値段は、24万5000円。大卒初任給は、1万〜2万円程度だったが、手の届かない値段ではなかった。「それでも高価ですよね。だからこそ逆に、長く乗れる、頑丈に作られたんだと思います」

社長の加藤登さん。確かな実績と実感で話すその語り口から、スバル360への愛情が伝わってくる   乗用車の歴史の中で、スバル360という車は一体何だったのか。その回答は明瞭だと加藤さんは、不敵に笑った。「昭和を象徴する車だと思いますね。国を代表する国民車と言ってもいいんじゃないでしょうか。値段的にも、サラリーマンがなんとか買うことのできる車として人気を得ましたしね」

「バラパンパンパン」とツーサイクルエンジン独特の音を響かせながらスバルは走る(写真の一部を加工しています)
 人気は、いまだ衰えることを知らない。それは加藤さんがいうように、車として魅力があるし、非常に優れているからだ。その証拠に、日本機械学会は、2016年、スバル360に「機械遺産」を授与している。

かとーもーたーす あんど これくしょんず
東京都清瀬市上清戸1-10-10
📞042・493・2877
営業時間:午前11時〜午後7時半
定休日:火
http://www.katomotors360.com/

文・今村博幸 撮影・岡本央

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