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鈴なり列車 夢の超特急 乗り物に見る昭和の暮らし

1872年(明治5年) に新橋ー横浜間で鉄道が開業してから今年で150年。 近代化する日本において、人々の生活が充実してきた理由の一つは、電車や自動車などの乗り物が登場し、行動半径が広がり、暮らしを便利にしたからである。これらの乗り物を通じて、昭和の暮らしぶりを写真で振り返る企画展「乗り物のある風景ー昭和の暮らしと交通事情」が東京・九段下の「昭和館」で開かれている。12月18日まで。

チャルメラ 石焼き芋 切符鋏 耳で感じる昭和風情

毎日聞いていた駅の改札の音がすっかり様変わりしたのはいつのことだろう。今は、自動改札機の電子音が、「ピッ」と鳴るだけ。新幹線も自動改札になり「カシャッ」と音がするだけになった。50年前はもちろん自動改札などではなかった。改札ボックスの中に切符を切る係の駅員がいて、改札鋏(ばさみ)を「カチカチ、カチカチ」とリズミカルに鳴らしながら切符を切っていく。その音が幾重にも重なって、駅独特の音になっていた。人によってリズムが違い面白かったが、ほぼ全国的に消えてしまった。そんなふうに、かつて、繁華街や住宅街には、いろいろな「音」があふれていた。