古き良きアメリカの空気にテンションマックス

 ヴィンテージの良さは、デザインや色合いが凝ってるところだ。「例えば、無駄に大きい、家具調のブラウン管のテレビはいまだに惹かれます。上に何かを飾ったりできた。逆に最近のはデザインがオシャレですが、僕はあまり魅力を感じません。某量販店に行っても全部形が同じ。部屋はスッキリするんでしょうけど、面白みに欠けると感じてしまいます」。一息置いて、針生さんは言葉をつないだ。「この店に絡めて言うと、ごちゃごちゃしているのがポイントだと思うんです。その中から自分の琴線に触れる『何か』を探すのは、面倒な作業ではありますが、見つかった時の喜びは大きいんですよ」

カジュアルなアメリカンファッションがそろうのも特徴。状態の良い古着も多く、中には掘り出し物も

 そんな商品の目玉の一つとして、インデアン・ジュエリーがある。「アメリカ先住民の作家が作っている本物です。アメリカでも人気があります」。 一般的なイメージで言うと、ゴツいと思っている人も少なくないと思うが、現実には、絶妙にデザインされたアクセサリーであることに驚く。たまたま店を訪れていた、ブースの持ち主「CzHsクレイジーホース」の五十嵐一馬さんが解説する。「時代によってデザインに変遷があります。作り始められた頃には、大きい石がゴロゴロついていたものが多かったのですが、50年代ぐらいになると洗練されてきます」。現役のアーティストの作品で、オーダーメードのものもあるが、50年代から80年代代に作られたアクセサリー類も興味深い。「ナバホ族やオーバーレイと呼ばれる糸ノコギリで絵柄を切り取って作られたホピ族の年代ものもそろっています。すでに亡くなってるアリゾナ州の人間国宝級的な作家が制作した古いブレスレットなどは、好きな人が見たら発狂しますよ」

洗練さを感じさせるインディアンジュエリー。アメリカ大陸の歴史
を見る思いだ

 この店が横浜にあることの意味は大きい。「インディアン・ジュエリーなど珍しいモノも含めて、あらゆるグッズが当店にはあふれています。ただ僕がお客様に伝えたいのは、アメリカの当時の匂いや空気感なんです。それを体感できる場所になりたいと考えています。一つのジャンルに執着するのも否定はしませんが、できれば全体的に好きになってもらって、リーバイスの古着などのファッションや、日本ではみられないおもちゃやグッズ、音楽も含めたライフスタイルに興味を持っていただけたらすごくうれしいと思っています」

店の入り口に立った瞬間からワクワク感を覚える。中に入ればテンションマックスに

 観光客の中には、横浜には「横浜っぽい雑貨屋」がたくさんあるだろうと思ってくる人も多いはずだが、実は見つけるのには骨が折れるのも事実だ。そんな時には、横浜コレクターズモールに足を運ぶといい。アメリカと横浜の古き良き香りが、店内に色濃く漂っている数少ない店の一つだ。

よこはまこれくたーずもーる
横浜市中区山下町1 シルクセンターM1F
📞:045-651-0951
営業時間:午前11時〜午後6時(土、日〜5時30分)
定休日:水
http://www.usd.co.jp/collectorsmall.htm

文・今村博幸 撮影・JUN

        

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