あの頃、恋い焦がれた昭和の名車に思い巡らせ

 名車といえば、日産のスカイラインGT-Rも外せない一台だろう。初代GT-Rの名を冠したのは通称ハコスカGT-Rで、前期型「PCG10型」(69〜70年)と後期型「KPCG10型」(70〜72年)がある。前者が4ドアセダンで後者は2ドアハードトップの違いだ。生産台数は832台と1197台。2代目となるいわゆるケンメリGT-R「KPGC110型」(73年)に至っては197台しか生産されなかった。どちらも現代の中古車市場では、もはや手の出ない価格まで高騰している。

 子供の頃はスタイリッシュなケンメリGT-Rのほうが好きだったが、大人になるにつれてハコスカGT-Rに心を奪われた。箱型なのに速い! まさに「羊の皮を被った狼」というギャップに萌えた。モビルスーツに例えるなら、ケンメGT-Rが派手な「RX78-2(ガンダム)」で、ハコスカGT-Rはシブい「MS-06S(シャア専用ザク)」といったところか。ケンメリの特徴でもある丸型4灯のテールランプは、一時消滅したものの、スカイラインの代名詞となった。巷(ちまた)には、GTやGTXなどをベースとした「なんちゃってGT-R」も数多く存在した。

KPCG10型のハコスカGT-R。まさに「羊の皮を被った狼」だ

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