時代を彩った演芸家の貴重な資料70点を公開

国立演芸場(東京・千代田区)

retroism〜article101〜

 芸能は、国の宝である。残して後世に伝えることは、我々人類に課せられた使命でもあるのだ。伝統芸能・文化を残し過去と現在、そして未来へ共有するという重大な仕事を担っている国立演芸場(東京都千代田区)の1階・演芸資料展示室で「新収蔵資料展」が開催されている。長年にわたり篤志家などから寄贈された演芸に関する貴重な資料を紹介する企画展だ。7月25日まで。

 海老一染之助・染太郎が使用した獅子頭をはじめ貴重な品々が展示されている 

 今回展示されているのは、落語家・三代目三遊亭金馬の台本や日記など約70点。金馬自身が自らスクラップした戦前の公演プログラムの中には、従来、国立劇場も持っていなかった東宝名人会のプログラムもある。また、五代目春風亭柳昇直筆の色紙、講談の四代目小金井芦州の直筆台本、曲独楽師の柳家とし松の道具などもファンにはたまらない品々だ。さらに、新宿末廣亭の裏に現存する喫茶「楽屋」からは、常連だったベテラン芸人たちの色紙が寄贈された。「おめでとうございます」のセリフとともに、我々の記憶を鮮明に蘇らせてくれるのは、太神楽の海老一染之助・染太郎が舞台で使っていた獅子頭や毬(まり)などだ。

会場内の様子。ソーシャルディスタンスも保たれている

 時代を彩り誰からも愛された往年の演芸家にまつわる蔵出し資料の一つひとつが、「芸」の奥深さを物語っている。演芸ファンならずとも見逃せない資料の数々は、見ごたえ十分だ。また、会場内では、三代目三遊亭金馬「孝行糖」(昭和33年5月文化放送「金馬独演会」より=音声のみ)のほか、映像なども上映している。

 国立劇場調査養成部調査資料課の片山春樹さんは「会場の制約からご寄贈いただいた資料全てを出品することはかないませんが、多くのお客様に展示をご覧いただくことで、少しでもご寄贈者の方々のご厚意にむくいることができれば」と大勢の来場を呼びかけている。

三遊亭金馬、初代林家三平など落語界の重鎮の資料も

 午前10時から午後5時まで。休室日は4月23日、26~28日、30日、5月21日、25〜27日、31日、6月21、22、25、28、29日、7月1、22、23日(公演の都合により変更になる場合あり)。国立演芸場1階・演芸展示資料室。入場無料。問い合わせは国立劇場調査資料課03・3265・7061(平日午前10時〜午後5時)。

【レトロイズム編集部】

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