あしたのために「見るべし!」 セタブンで特別展

世田谷文学館(東京・世田谷区)

retroism〜article92〜

 世代を超えて愛され読み継がれているスポーツマンガの金字塔「あしたのジョー」。1968(昭和43)年の連載開始から50余年、矢吹丈の生き様と世界観を斬新な切り口で紹介する「あしたのために あしたのジョー!展」が東京都世田谷区の世田谷文学館で開催されている。3月31日まで。

「あしたのために あしたのジョー!展」のポスター。力石徹はもうひとりの主人公だ(©️高森朝雄・ちばてつや/講談社)

 あしたのジョーは、週刊少年マガジン(講談社)で68年から73年まで連載された。天涯孤独の主人公・矢吹丈がボクシングを通じて成長する姿が描かれる。「あしたのために」は、放蕩無頼(ほうとうぶらい)の末、少年院に送られたジョーに、「丹下拳闘クラブ」の会長兼トレーナーである丹下段平が送ったボクシング指南はがきのタイトルであリ、物語に貫かれている、「未来に向かって生きる」というテーマでもある。

力石がジョーに勝ち「終わった」とつぶやく。
数ある名場面の中で最も印象的なシーンだ。
(©️高森朝雄・ちばてつや/講談社)

 同展では展示室が七つの章で構成されるが、これは、プロのボクサーを目指すにあたっての極意でもある「あしたのために」が1〜7まであることにちなむ。展示は、まずストーリを概観。作画を担当したちばてつやさんが描いた100点を超える原画や、原作者である高森朝雄(梶原一騎)の直筆の原稿など約200点の資料をはじめ、ライバルである力石徹の葬儀の様子、ジョーや仲間の西寛一(マンモス西)が腕を磨いた丹下拳闘クラブなどをイメージしたコーナーも。また、高森の子息である高森城さんと絵を描いたちばさんが選ぶ名場面なども紹介されている。原画と原作の比較展示で展開される、高森とちばさんの舞台裏の葛藤も興味深い。

 あしたのジョーが人の心をとらえて離さない魅力を再発見できる、見逃せない展覧会だ。

ジョーと対戦した主なボクサーたち。
すべての試合が物語を彩っている
(©️高森朝雄・ちばてつや/講談社)  

 開館は、午前10時〜午後6時(入管は午後5時半まで)。月曜休館(臨時休館あり)。入館料は一般800円、65歳以上・大学生・高校生600円、中学生以下無料。問い合わせは同館03・5374・9111


【レトロイズム編集部】

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