レトロ散歩 其の玖

巣鴨地蔵通り商店街かいわい(東京・巣鴨)

retroism〜article87〜

巣鴨地蔵通り商店街の入り口。商店街は、車も通れる広い道だ

美容室の看板にパーマと書かれてい
   るのは、その店が昭和に出きた証拠だ

 

かつては商店などが連絡所となって犯罪を未然に防いでいた  

紙を売る木造の店舗は年季が入っていい感じに

 

荒川線庚申塚停留所近くの路地裏にある
井戸。下町にはいまだ随所に残っている

対面式のたばこ店は、古い街並みの象徴である

今でいうところのウイッグだが、ここではカツラというほうがしっくりくる

冬の夜の必需品であるはんてんを売る店
 があるのも古い商店街の特徴のひとつだ 

最近、湯たんぽの価値が見直されて
いて、若者にも人気があるという 

古い建物はかつては畳屋だったが、現在は、
畳表を使った小物屋へと生まれ変わっている

創業65年。赤パンツの元祖の店「マル
 ジ」は巣鴨地蔵通り商店街の顔の一つだ

店内に所狭しと並べられている赤パンツ。圧巻だ

とげぬき地蔵の門の下にあるちょうちん

おばあちゃんにとってはごく普通の店だが、特に若者にとってはレトロをひしひしと感じさせる店構えだ

巣鴨地蔵通り商店街では、昭和53年に登場した
コルゲンコーワの2代目の店頭カエルも現役だ

JR巣鴨駅近くにある駄菓子屋。店主
は、近所の小学生のお母さん的存在

あとがき

 時代を感じさせる要素のひとつに、「くすみ」がある。比較的整備されている「巣鴨地蔵通り商店街」にも、いい具合にくすみが残っていて、街の時間を上手に止めていた。

 シンボルである高岩寺(とげぬき地蔵)は、焚(た)かれた線香によって境内が絶妙にくすんでいる。くすみは他に、パーマと書かれた看板、防犯連絡所と書かれたアルミ製の表示版、かつて紙を扱っていたと思われる店のコクヨの看板など、小奇麗に改装した店の合間に現れる。昭和7年創業の「帽子専門の店・タムラ」が放つくすみは、シブさ以外の何物でもない。

 商店街を都電荒川線(東京さくらトラム)の庚申塚へ向かうと、停留所の少し手前にある化粧品店のくすんだガラスから店内が見える。並んでいたのは、ブラバス、エロイカ、バルカン、アウスレーゼなど、かつての大人たちが愛用していた男性化粧品だ。少女が口紅に憧れるように、それら化粧品の匂いに男の子は憧れた。父親がひげそり後に顔にたたくように塗るローションや、髪をなでつけるポマードなど、子供にとっては禁断の世界だった。中学生ぐらいになると、父親の化粧品をこっそりつけたりもした。それだけで大人になった気がしたものだ。

 くすみは、古いものの象徴ではない。きちんと時代を経て生き抜いてきた、本物の証なのである。

文・今村博幸 撮影・SHIN

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