「あぶ刑事」を歩く〜関内編〜

路地裏を歩く番外編(横浜・関内)

retroism〜article44〜

 1987(昭和61)年、テレビドラマ「あぶない刑事」は始まった。派手なアクションとジョークを交えた粋なせりふで大人気を博し、続編「もっとあぶない刑事」やスペシャルドラマ、映画も7本製作された。物語の舞台であるハマでタカとユージの足跡をたどった。

麻薬取締官殺害現場を氷川丸の中で目撃する少年。浅野ゆう子ふんするカオルとその少年の交流が描かれる=17話「不信」(以下いずれもファーストシリーズ「あぶない刑事」)

殺人の容疑者にされるユージ。逃げる途中に、タカと捜査会議を開くのが山下公園のこの場所だ=25話「受難」

歌手を目指す若い女に金を送る、足長おじさんを苅谷俊介が好演。話のつなぎにチラッとだけ出てくるシーン。妙に印象的だ=第12話「衝動」

山下臨港線プロムナード付近。婦人警官が襲撃される事件で、町田とユウジが、容疑者を追ってこの辺りで取り逃がす=第7話「標的」

銀行強盗の容疑者を追って、町田が新港橋の上から船に飛び降りるが、容疑者に拉致される。このあたりの風景も今ではすっかりきれいになった=第2話「救出」

若かりし頃の竹内力が容疑者役でいい演技をしている。手錠をかけられたタカとユージ、長谷川(竹内)が逃げる時にこの場所を通る第38話「独断」

赤レンガ倉庫は、「あぶ刑事」では頻出の舞台、まだ本当に倉庫だった頃の話だ=第12話「衝動」

サバイバルゲームが趣味の容疑者がタカに馬鹿にされ多仕返しをする。県庁前にあった公衆電話で容疑者と話すシーンがある=第18話「興奮」

有名なタカの容疑者追跡シーンは、日本大通り。ノーヘルでバイクに乗る姿はモロ昭和。手放しで拳銃をぶっ放すなんてのもかつての映像=第6話「誘惑」

「あぶ刑事」には、頻繁に横浜スタジアム、および、そこから海へと向かう日本大通りが頻発する

町田が容疑者の女を自転車で追う珍しいシーン。この善隣門で、別の署の刑事と鉢合わせして門の陰に隠れる=第45「謹慎」

タカとユージが、この南門を出て元町に入る前田橋で容疑者を拳銃で仕留める。最後にトドメを刺そうとするユージをタカが止めた=第37話「暴発」

家出してきた女の子とユージが出会うところから物語が始まる。振り回されるユージが彼女と再会するのが港の見える公園のベンチだ=第4話「逆転」

子供と叔母の涙なくしてみられない物語。大佛次郎館の前の公園で、子供は、叔母をお母さんと叫ぶ。愛が伝わったらしい=第30話「黙認」

あとがき

 横浜はクサイ。

 海を中心に、半径2キロぐらいはヒドイ。まずは潮のニオイ。年に何回か(もしかすると十数回)赤潮が発生すると特に顕著である。

 中華街へ行けば香ばしいいニオイに包まれる。しょうゆやニンニク、唐辛子が焦げるニオイは、角ごとに何層にも漂うし、ハッカク調理中がはっきりわかる独特の香りは、角一つおきだ。

 元町商店街に充満するのは、高慢ちきなニオイ。ブランドかわからない香水のニオイはスノビーでちょっとよそよそしいが、海の生々しい香りもかすかに漂っている。中華街との境に流れる中村川にはかつて、朽ち果てた船がたくさん停泊していた。浜っ子は、その船で生活している貧乏クサイ連中がたくさんいたことをよく知っている。華やかな元町のすぐ隣でだ。

 すっかりよそよそしくなってしまった伊勢佐木町も、かつてはもっとクサかった。商店街と国道16号(鎌倉街道)の間に残る親不孝通りは、まさに生グサイ。その隣に位置する福富町は、ひところ血生グサい事件もしばしば起こっていた地域。多少はマシになったが、今でも小競り合いは続いているらしい。

 そんなクサイ街を舞台にした「あぶない刑事」の風景、タカとユージが躍動していた舞台を探して歩いてみた。画面やスクリーン、BGM、せりふにも漂っていたのは、クサイ横浜だった。

文・今村博幸 撮影・柳田隆司

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