江戸前期創業 変わらぬ味がうれしい日本の洋食店

 熊谷さんは、洋食が好きだと言う。昔から食べ慣れた好きな味を、再現して作っているだけだとも言う。「別に、古いものを残そうとか、店の伝統を守ろうとか、あまり意識はないんです。息をするように料理を作っている感じです」

福神漬け、つぼ漬け、そしてシソの身などの入った漬物。「ご飯を真緑にして、おかずのようにして食べる人もいます」と熊谷さんは苦笑い

 そんなタカサゴの料理が教えてくれるのは、料理にとって最も大切なのは、説得力ではないかということだ。「うちの料理には隠し味にしょうゆを使います。なぜなら、日本人の舌には一番合うと思うからです」。生姜(しょうが)焼き以外は醤油の味を感じないが、食べると納得させられるのは、そのせいらしい。「カレーは、欧風をうたっているので、生クリームを入れてます」。そう言われてカレーを食べると、ほんのりとクリーム系の味が奥に潜んでいて、欧風という言葉にうなずかざるを得ない。

シンプルなエントランスにシンプルな店名ロ
ゴ。しかし、料理の中身は濃厚そのものだ 

 タカサゴが供する料理の味は、一言で言い表すことが可能だ。つまり、全てがかつて我々が好んで食べていた、納得の味なのである。

かれーのみせ たかさご
東京都千代田区一ツ橋1-1-1パレスサイドビル B1F
📞03・3214・2520
営業時間:午前11時15分〜午後7時半
定休日:土、日、祝
文・今村博幸 撮影・岡本央
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする