コンパクトカメラから学ぶ写真を撮る楽しさ

 VOID LENDSに人が集まってくる理由はどこにあるのかを、児玉さんに尋ねてみた。「単純に、みんな、今しかない瞬間を写真という形で残したいんだと思います。スマホで残すのではなくね。『写真を撮ろう』と思った時点で、スマホだと物足りなくなるんじゃないですか。見たまんまの画面をスクリーンショットしているようなものですからね。それとコンパクトカメラとはやっぱり違うんですよ」。児玉さんが、小さな店内を見回した。「それと、光が当たって化学反応で何かを残すというのは、なかなか他にない行為です」。人類が発明したものの中でも最も優れたもののひとつだと言って、児玉さんはうなづいた。

フィルムも売っている。独自のルート で仕入れるので、割安で販売している 

 高円寺という場所柄なのか、客は外国人も多い。「そんな時には、自分で扱っているカメラが、日本のものづくりの偉大さを教えてくれますし、過去の遺産として日本が誇れるものの一つだってあらためて感じます」「FILM CAMERA STORE」というシンプルな看板が、かえって人目をひく
 コンパクトカメラを持ち歩くという選択は、確かにアリだ。その場所でその時しかない瞬間は、スマホでもデジカメでもなく、フィルムに収めてこそ楽しいのである。

ぼいどれんず
東京都杉並区高円寺北3-2-12
📞050・3595・1983
営業時間:午後1時〜午後8時
定休日:なし
https://voidlens.thebase.in/

文・今村博幸 撮影・岡本央

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