歴史刻む老舗バーの柱時計
無料WEBマガジン。人の温もりを感じさせる昭和の文化、生活、モノ、風景など次世代に残したいレトロな情報を発信します。
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「最初にある場所でミニチュアハウスを見た瞬間に、グッときてしまいました。土の温もりを、店の風景からすごく感じられたのです」
ゾクゾクするほどインパクトのある店名だ。しかもド直球かつ扇情的。その名も「ディスクユニオン昭和歌謡館」。よくぞ付けたものである。
見上げると思わず息を飲む外観だ。モルタル塗りの壁面に金色で大きく書かれた「パリー」の文字が燦然(さんぜん)と輝いている。
昭和の時代から、居酒屋に存在し続けた飲み物や食べ物がある。甲類焼酎をさまざまなフレーバードリンクで割った酎ハイ、揚げ物、やっこ、焼き魚や焼きとり等々。数え上げたらきりがないが、「信濃路 鶯谷店」には、それら全てがそろっている。大げさではなく、本当に「全て」があるのだ。
映画の中の小道具として登場するカメラが、心に刻まれることがある。例えば、「ローマの休日」。オードリーヘプバーンふんするアン王女が、たばこを吸うのを隠し撮りされるシーンだ。
心地よい早朝の日差しが谷中の街を優しく包む頃、木でできた雨戸を開けることから、「カヤバ珈琲」のマネージャー・成瀬真理子さんの一日が始まる。