世界よ、これが日本のカメラだ!

   さらに時代は流れ1975年、誰でもきれいに明るい写真が撮れるカメラが登場する。コニカ(小西六写真工業)が発売した、日本初のストロボ内蔵「ピッカリコニカ」だ。若かりし頃の井上順さんの「ストロボ屋さん、ゴメンナさい」のセリフが耳に残る。「フラッシュも、かつてはマグネシウムの粉を皿に乗せて爆発させていた時代があります。1枚取るごとに粉をセットした。けっこう危険だったと思います」。それがワンタッチで、フラッシュをが光り、しかも何度もでも使えるという、今でこそ当たり前の技術だが、当時は画期的だった。「日本で初めての機構は、世界で初めてと言っていいぐらい日本のカメラが世界中に広がっていった時代でした」

歴代の「写ルンです」が並ぶ。誰もが写真を撮る時代が本格的に到来する。今の写メの原点がここにあると言ってもいいだろう

 そして86年、レンズ付きフィルム、いわゆる「写ルンです」が富士フイルムから発売され大ヒットする。サブカルチャーにもカメラが入り込んできたのだ。その人気ぶりはすさまじかった。当時、どこの観光地でも、厚紙パッケージのカメラを持った人たちが闊歩(かっぽ)する姿が見られ、売店では、レジの横や飲み物の入った冷蔵庫の上に「写ルンです」がぶら下げられていた。

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