古くて新しい谷中のランドマーク

 コーヒーを入れながら、成瀬さんが、カヤバ珈琲の存在意義を語ってくれた。「観光客も、たくさん来てくださいます。喫茶店としては珍しいのではないでしょうか。加えて、地元の人、年配の方、海外の方、高校生。来てくれる人は、年齢も含めて幅広いのが特徴だと思います。そういう人たちが何かしらのコミュニケーションを取れるし、同じものを違う目線で見てもらえる場所でありたいと思っています」

1階から畳敷きになってる2階へと誘う急な階段。途中の
踊り場にも、窓があって明るいし、2階はさらに明るい

 如何(いかん)せん歳月を経たものが多いので、直さなくてはならないことも多い。椅子の張り替えも随時行う。成瀬さんが、座面の破れている椅子を指して、「実はこの椅子も、明日張り替えるので一時無くなります」と、少し笑いながら言った。また、カウンターの高さを変えるときにも、下部のレンガを生かしつつ、当然のように他の素材は使わず、レンガを積み増した。建物や備品は使えるものは極力使うという。

天気が良い日には、外から入る光の位置と形が、時間と共に変わっていく。存在自体がまるで日時計のようだ

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